大好きな彼と、なかなか会えない日々。
中学生の時に、同じクラスだった彼と付き合い始めました。小学校も一緒だったけど、話したことはありませんでした。春、入学して一ヶ月も経たないうちに、教室のベランダで告白しました。とても風が吹いている日でした。彼が背が高く顔も整っていて、けれど少しだけ変わった人でした。変に姿勢がよく、歩き方も独特でした。2人とも性欲がなかったわけではなく、まだ中学生だからと話し合って初体験は結婚してから、ということにしていたのでした。その後2人で同じ高校に進学しました。けれど、部活はばらばらになっていしまいました。以前までは土日の部活の前後、部活中、練習時間と称した自由時間、昼休みなど結構な時間をずっと一緒に過ごしていました。部活が変わるとそうはいきません。クラスも離れ離れになり、彼と一緒にいられるのはお昼休みと週末の帰り道だけになってしまいました。でもたまに空いた土日、テスト期間で部活がないときは彼の家にお邪魔していました。3人暮らしにしては少しだけ狭い家で、彼の両親がいないときだけ呼んでもらえました。初体験以前にもキスや手つなぎ程度ではなく、直接的な性行為以外はほとんどのことをし終えていました。冬は彼の布団にくるまって抱き合い、夏は汗をかきながら触れ合いました。彼の家族に鉢合わせたのも一度や二度ではありませんでした。彼はあまり感情を表に出す人ではなかったので、彼が自分をどう思っているかはあまりわかりませんでしたが、それでも家に呼び寄せてくれるということがとても嬉しかったです。その日は、秋ごろでした。普通の平日で、でも学校は休みでした。彼の家に行く道には赤い枯れ葉が踏むと音を鳴らすくらいに落ちていて、でも長袖で自転車を漕ぐ私は少しだけ汗ばんでいました。
気持ちが良くて頭が真っ白になった。
マンションの2階の角部屋のチャイムを押すと、彼が鍵を開ける音がしました。扉が開くと彼の家の匂いがむわっと漂って、酔うみたいに嬉しくなりました。彼の家には誰もいませんでした。布団が敷いてあって、私は普通の普段着、彼は灰色のスウェットを着ていました。彼の部屋は狭く、ベッドはありません。ピアノと、本棚と、パソコンが置いてあって、あとは布団を敷くだけのスペースが有るのみでした。少しだけ汗ばんだのを服をひらひら浮かせて乾かしていると、彼が抱きしめてきました。汗の匂いを嗅がれるのは嫌でしたが、優しい腕が暖かくて胸がどきどきしました。しばらく会話をして、2人で布団に寝転びました。抱きしめ合ったり、時折離したりして、黙って時間を過ごしました。ふと動いたときに、背中のあたりに固くて熱を持ったものを感じました。彼が私に発情してくれるのはとても嬉しく、ドキドキしました。無論私の方もかなり気持ちが昂ぶっていました。いつもと同じように触り合いをはじめました。別に初体験のつもりではありませんでした。顔は彼の胸に埋めたまま、彼の下半身を触ります。最初は服の上から、次に下着の上から。そして直接。固くてつるつるしたものを手のひらに感じながら。何度かこすりました。彼の甘い吐息が聞こえました。彼も私の服に手を入れてきました。パンツの中に手が入って、既に濡れていた私のそこを触ると、彼はニヤニヤしながら、「濡れてる」と小さく言いました。私は恥ずかしくて黙っていました。すぐに指は入ってきました。彼の指は長くてきれいで、それでいて程よく分厚さがあったので、2本も入ってしまうと私の中はいっぱいになってしまうのでした。しばらく2人小さく喘ぎながらお互いを触り続けていました。普段ならそれで終わるのですが、指を抜いてきたかと思うと彼が急に馬乗りになってきました。何なのかよくわからなくて、何?とかどうしたの?とかを何度か言った気がします。彼は黙ったまま私の服を脱がせて、自分も服を脱いで、いわゆる正常位で私に入れようとしてきました。生でした。彼が早漏ではないことを知っていたので、そこまで拒絶もしませんでした。濡れたあそこに何度か彼は自分のものをなぞらせて、荒く呼吸していました。「入れていい?」と言われて、私は言葉で返すのが恥ずかしく、目をつむってうなずきました。彼がぎゅっと力を入れ、いざそれが入ると、お腹の下のあたりにズドンという衝撃が走りました。同時に自分のものとは思えない嘘みたいな喘ぎ声が漏れ、びっくりしました。彼は私の声を聞いたせいか、痛いか訊くこともなくゆっくり腰を動かし続けていました。彼はとても必死な顔をしていて、かわいいなと思いました。お腹がいっぱいに満たされて、今まで味わったことのない快感に体がプルプル震えていました。途中で体勢を騎乗位に変えました。気持ちよくて腰を振っていたら、「自分から腰振って、本当に淫乱だね」と言われました。気持ちよさを求めるままに腰を動かし、何度も何度も抜き差しを繰り返しました。最後は向こうも無理して射精を我慢していたみたいで、「その動きはだめ」とか「いっちゃいそう」などと彼も言っていました。後半は私の方が余裕があり、「気持ちいい?」と何度か訊ねました。最後は騎乗位で私が彼をいかせました。勝手がわからず快楽に溺れるのに必死になって腰を動かしていると、「やばい」と言われて、それでも私は腰を動かし続けました。やがて彼は息が一時止まったような声を漏らして、外に白いものが溢れました。ぎりぎりになって抜いてくれていたのです。しばらく2人放心していました。やがて落ち着くと、ティッシュでそれを拭き、じゃあ明日と言って帰りました。帰り道は少しだけ夕方に差し掛かっていて、私は天にも昇るようなような心地でした。初めてを迎えた、と何度も心のなかで唱えて、さっき中に入っていたものの感覚を何度も何度も思い出していました。
あのとき痛ければ、怖くなってしまっていたかも。
一日二日はその感覚が抜けませんでした。その後も何度もお部屋デートを繰り返し、色んな体験をしました。時には激しく、時にはゆっくりとした行為に身を預けました。様々なシチュエーションで似たようなことを繰り返したので、次第に初体験はその他の行為に埋もれていってしまいました。結局中学生としてはかなり長く付き合っていたし、結構な人数に認知はされていたのですが、私が相手の連絡頻度の低さに耐えられなくなって、高校二年生の終わり頃別れてしまいました。別れてからも高校は同じだったため、話したりはしていましたが、それっきりで完全に連絡をとっていません。Twitterのアカウントはまだ稼働しているみたいなので、二年に一度ほど覗いています。けれど初体験としては痛いこともなく、心から好きな人と然るべき時期に迎えられたのでかなり満足しています。もしあのとき痛かったり、嫌いな人とだったりしたら、もう怖くてできなかったかもしれません。

