
高校生になったばかりで、あまり学校に馴染めなかった私はよく授業をさぼったり、一人でいることが多い学校生活を送っていました。
部活は水泳をやっていましたが、部活の部屋が居心地が良く、一人になれることもできたので、そこにいることが多かったです。
決して友達がいなかったわけではないですが、なぜか学校の普通の生活につまらなさを感じて、部活や友達とバンドを組んで音楽をやるような日々を送っていました。
学校へは自転車で通っていたのですが、そんなある日に体育館裏の駐輪場にいくとクラスも違うのであまり面識のない女の子が待っていて声をかけられました。
確か、バレンタインデーだったので、チョコを渡されたと思います。
はじめて話す子だったので、その時は付き合ってくださいといわれてもピンとこなかったので、特に何かあったわけでもなく、帰りました。
その後は何となく意識はしていましたが挨拶程度を交わす仲となりました。
少しずつ、会話もする様になりましたが、特に進展もなく結局は卒業でお互いが別々の道を歩むことになりました。
卒業してから、しばらくして連絡がありました。
渡したいものがあるから会えないかということでした。
それまでの間も付き合ったひともいたのですが、卒業してからは彼女もいなかったので、まあ、久しぶりにあってもいいかなぐらいの程度で、待ち合わせの駅にいきました。
その時に渡されたものは手編みのマフラーでした。
すごく驚いたのを覚えています。
また、卒業してからも一度も付き合ったこともないのに、ずっと自分を好きでいてくれたんだととても嬉しく思いました。
恥ずかしながらも手編みのマフラーを当時は大事にしていました。
ただ、結局は友達として仲良くはなりましたが、その後も時々はあってデートするぐらいの関係でつづいていました。
今、思うとこちらは友達と思いながらも彼女はそういう気持ちではなかったので、優柔不断な自分にずっと付き合わせてしまい、彼女の青春時代を奪ってしまったかなという後悔もありますが。。。
その後も友達としては、お互いに何でも話せる中になり、それぞれに恋人もできました。
お互いの恋愛相談も気軽にできるようになり、不思議と彼女も真剣に新しい彼女の話を聞いてアドバイスもくれていました。
もちろん、彼女も新しい彼氏の話を気軽にしてくれて、相談ものっていました。
私の方は遠距離恋愛で、あまり会うこともできなかったのですが、どちらかというと私がハマってしまい、彼女のほうには重いなぐらいに思われていたと思います。
遠距離であったので、車も買って、長距離を運転して会いにも行っていましたが、高校の時からの友達としての彼女からもたまには乗せてよという軽い感じでお願いされ、デートではないのですが、遠距離の彼女についての相談をよくしていました。
実際に、遠距離の彼女からは冷たい対応が多くて、あまり会いたがってもらえないし、今後どうすればいいかなといった相談をよくしていました。
予想通りの展開ではありますが、遠距離の彼女から別れたいとの突然の電話があり、理由もわからずに一方的にお別れとなりました。とてもショックを受けて、落ち込んだ日々を過ごしたのを覚えています。
そんな中、同級生の彼女の方も、彼氏と別れたとの話をしました。彼女はけろっとしていて、あまり落ち込んだ風もなく、むしろ自分にいつも明るくふまってくれました。
それどころか、自分が昔やっていた趣味を面白そうだから自分も始めたんだと、水泳やバンドをはじめていました。
全く自分と同じ趣味を始めていたことにとても驚きましたが、何で始めたのと聞いてもわたしが昔すごく楽しそうに見えたからといっていたのを覚えています。
そんなお互いが独り身なった大学一年生の秋だったと思います。
私は大学に入り一人暮らしをしていたのですが、あまり実家からも離れていない場所でしたが、両親が引っ越したのをきっかけに出身高校の近くに一人で暮らすようになっていました。
同級生の彼女と昔話をしながらドライブした帰りに、高校に行ってみないと誘われました。
ドライブの帰りだったのでもう夜も9時過ぎていた頃だったと思います。
懐かしさでちょっと行ってみようということになり、学校に。
若気の至りで、校門はしまっていたのですがよじ登り、中に。
もちろん真っ暗な中で、さすがに校舎までははいらなかったのですが、武道館に立ち寄ると窓が空いていました。
武道館は高校最後の文化祭でバンドを行った思い出の場所でもあり、ついつい中に入りました。
真っ暗な武道館に男女二人。
自然と抱き寄せた彼女が耳元で、ずっとこうしたかった。
ずっとこうしていられたらいいのにとつぶやき、思わず一途な彼女を強く抱きしめました。
私の家に戻った後、彼女とが私の初体験になりました。
すごく遅い初体験だと思いますし、自分が恋愛の対象でない彼女が初体験の相手であったことは良かったのかどうかは今でもわかりませんが、すごく記憶に残る思い出となりました。
彼女にも直接聞いたことはその後もありませんし、彼女にとってその思い出が今となってはどうなのか、わかりませんが、少なくともその日の彼女はとても綺麗で、嬉しそうで、幸せそうでした。
その後も何度も彼女とは会って食事やドライブにもいきましたが、その初体験の一回限りで、彼女とは友達としての関係が続いています。
お互いにとって、あの日の出来事はなんとなく、口に出しづらいこともあり、お互いの秘密みたいになったまま、仲の良い友達として続きました。
その後は二人で会うというよりは複数の友人を交えて会う機会がおおくなったきがします。
あれから何年も経ち、お互いそれぞれに新しい伴侶と結婚して、幸せな結婚生活を送っています。
というよりは、だいぶ疎遠になり会ってもいないので、きっと幸せな家庭を築いただろうと心から思っています。
連絡を取ろうと思えば取れるのですが、自分も家庭を大事に相手も家庭を大事にしてほしいとの願いからあっていませんが、今でもあの日を思い出すことがあります。


