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【恋愛話】まぼろしのような古き良き恋愛話。

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あれは僕が23歳の時でした。

 

僕はギターが好きで、中学生の頃から、独学でギターを勉強し、1970年代から80年代のフォークソンググループサウンズにのめり込んでいました。

 



高校を卒業し建設会社に就職した僕はギターを続けたいと思い、気の合った仲間同士でフォークソング同好会を作り、町内や市のお祭りなどで歌を披露させてもらえるようにお願いしていました。

 

当初メンバーは男子5人、女子は姉妹2人で7人でした。

そこにメンバーの先輩が職場の女の子を連れてきて、新メンバーとして迎え入れました。

 

名前はM江ちゃん、僕より2歳下のえくぼの可愛い娘でした。

新メンバーのM江ちゃんを迎えて半年ほどが経ちました。

 

夏まつりに出演するため練習を開始しました。

通常練習は週に1回、町内会館を借りて行うのですが、祭りの練習の時は週に2回集まっていました。

 

練習に熱が入ってくると、町内会館での練習だけでは足りなくなり、メンバーの家に移動して練習を続けます。

 

その日はギターとベースのリズムが合わず、午前0時近くまで練習しました。 その頃僕の仕事も忙しく、遅くまで残業をしていて、疲労もピークに達していたのです。

 

練習が終わり車で帰宅途中、僕は居眠り運転で道路標識の支柱に追突してしまったのです。命に別状はなかったのですが、車はボンネットに支柱がめり込み大破、顔と手足にけがを負ってしまいました。たまたま同級生が通りかかり警察に連絡してくれ、事情聴取を受けて、同級生が家まで送ってくれました。

 

翌日病院に行き、全治2か月との診断を受け、会社に診断書を提出し仕事も2週間休む事にしました。フォークソング同窓会の先輩に連絡し、一連の事故の話をしました。

 

その日の夕方えくぼの可愛いM江ちゃんが僕のアパートに来てくれました。「どうしたの?」と聞くとM江ちゃんは「事故って怪我をしたって聞いたので、困っている事ないかなと思い、心配で来てみたの」と言うのです。

 

僕は嬉しくなって、たまには怪我してみるのも悪くないなあ」と思ったりしました。  M江ちゃんはその日からほとんど毎日アパートにきてくれました。

 

一人暮らしの僕に、カレーやチャーハンなどを作ってくれました。M江ちゃんに完璧に胃袋を掴まれました。

 

そして、M江ちゃんの生い立ちや趣味などの話をしました。

M江ちゃんはお兄さんの影響でフォークソングが好きになりカラオケでしょっちゅう歌っていたそうです。

確かに歌い込んでいて良い声をしていました。「オリビアを聴ながら」が十八番で、心にしみました。そして僕は彼女に心を奪われていき、彼女も僕の部屋で心も体も許してくれるようになっていったのです。

 

怪我をして1週間はじっと家で過ごしていました。2週間目に入り、歌の練習にはM江ちゃんが迎えに来てくれて一緒に参加しました。

「僕とM江ちゃんができている」そんな噂も広がっていきました。僕のけがは腕と膝だったので、ギターを弾くには支障はなく、練習を積み重ねました。

 

怪我をして3週間目から仕事にも復帰しました。大破した車は廃車になりました。買ってまだ半年しか経っていないのに、ローンだけが残りました。

自動車屋に頼んで、安い中古車を探してもらい、その車で通勤しました。

夏祭りも大盛況で終わり、打上も派手に行いました。フォークソング同好会のメンバーに僕とM江ちゃんは散々冷やかされました。M江ちゃんとは映画に行ったりショッピングしたり楽しい思い出を作りました。

 

夏祭りが終わって1か月が過ぎた頃、M江ちゃんの態度がなぜかそっけなくなってきたのです。僕はどうしたのとM江ちゃんに聞くのですが、M江ちゃんは「何にも変わらないよ」というだけでした。やがてM江ちゃんとの連絡は減っていきました。

 

ある時M江ちゃんから電話が来て、「私好きな人ができたの、ごめんなさいね」とたった一言でした。

 

僕は「どうしたの?なんで?」と聞きましたが返事はありませんでした。

 

フォークソング同好会も辞めていました。  ふわっと開いてふわっと散った桜の花のような短命の恋愛でした。この時の彼女の心境は今も不思議で理解できません。

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