高校を卒業し、もう会えないと思っていた演劇部の後輩。
私が高校卒業を控えていた時、同じ演劇部の1つ下の後輩に片思いをしていました。しかし、上手く伝えることも出来ずにそのまま卒業してしまいもう会えないと思っていました。卒業式後暫くして部活の同級生と卒業旅行に行くことになり、旅行先で好きな人の話が出たので思い切って今まで誰にも話さなかった後輩のことを話しました。すると、真剣に聞いてくれた友達が旅行から帰った後、みんなに卒業食事会を開こうと計画を立ててくれて、後輩も先輩も読んで大きな食事会を開くことになり、もう一度会うチャンスをつくってくれました。さらに、友達は食事会のあと2人きりの状況を作ってくれて、駅のホームのベンチでたどたどしく告白をしました。返事は「3日考えさせてくれませんか」と言われ、返事がもらえる3日間は生きた心地がしませんでした。3日経ち、大学の帰りに電話が鳴り見ると告白をした後輩からでした。電話に出ると彼も思ってくれていたこと、本当は自分から言わなければならなかったのに告白させてしまって申し訳ないと伝えてくれました。そして、今後ともよそしくお願いしますと告白を受けてくれて、付き合うことになりました。お互いに初めてのお付き合いで、私は大学の授業で、彼は高校生で大学受験を控えていたため忙しくデートは2週間に1回ほどでしたが、初めてのことだらけでお互い新鮮でとても幸せでした。数回目のデートで手を繋ぎ、さらに数回デートを重ねた後に夜公園のベンチで初めてのキスをしました。しかしお互い実家暮らしであることと、彼の受検が忙しくなったのとで会う回数が少なくなり、そこから先にはなかなか進めなくなり月日だけが経っていきました。信頼関係が出来ていたので、進まなくても幸せなままではありましたが、大学生にもなって体験をした事がないことへの焦りも少しありました。一方で、初めて体験する事への不安や恥ずかしさもあったので、どこかに泊まりに行きたいということもなかなか口に出せませんでした。
お互い初めてで何もかも分からずに終わってしまった。
そんな日々が半年過ぎたある日、彼から大学受験の忙しさがピークを迎える冬の前に泊まりで旅行に行こうと提案がありました。不安やどうしようという困惑もありつつ、嬉しさがが勝って旅行に行くことを二つ返事し、計画を立てることになりました。私は寒くなってきたこと、私たちの高校では2年生でスキー教室があることから、スキーに行こうと提案すると、彼も同意してくれました。長野の軽井沢に行くことになり、ホテルはスキー場の近くにあるホテルを予約しました。旅行に行く1週間前から楽しみ半分緊張半分でいて、夜のことを考えると頭が真っ白になっていました。初体験をするとしたらお互いに初めてなのは知っていたので、携帯でエッチの仕方や初めての時の注意点、ゴムの付け方まで調べました。旅行を計画してからあっという間に時が経ち、当日になりバス停で待ち合わせをしてバスで軽井沢へと向かいました。バスの間はお菓子を食べたり話をして過ごしましたが、夜のことが気になり何を話したかは緊張しすぎて忘れてしまいました。現地に到着し、ホテルに荷物を置いた後、早速スキーを行いました。経験者の彼はとても上手く、私に丁寧に教えてくれながら初級コースから夕方には上級コースをゆっくりでも滑れるまでに成長させてくれました。休憩を挟みながら数時間滑り、夕飯の時間になると道具を片付けスキー場そばのホテルに帰りました。スキーをしていた時にはけがをしないようにとスキーに集中していたので夜のことは一切頭にありませんでしたが、いざスキーを終えてホテルに戻ると再び緊張が戻ってきました。ご飯はバイキング形式で、カレーが美味しかった記憶がありますが、あまりのどを通りませんでした。ご飯を食べ終えたあと、一旦部屋に戻ることになりました。部屋に戻ると畳の部屋に布団が2枚敷いてあり、それを見て私だけでなく彼も緊張している様子が伺えたので、それで少し緊張がほぐれました。彼は恥ずかしそうに「もう少し(布団を)近づけていい?」と私に質問し、私が頷くと布団と布団の隙間を埋め2枚の布団をぴったりとくっつけていました。暫くテレビなどをみながらのんびりして、お風呂に行くことになりました。お風呂は貸し切りではなく男女分かれている温泉だったので、お風呂場の前まで一緒に行き、時間を決めて別々に入りました。お風呂に入っている間、私は調べたことを脳内で再度確認し、入念に体を洗いました。お風呂から上がるときには深呼吸をし、外に出て彼と一緒に部屋に戻りました。部屋に戻ると少しぎこちなく離れて座椅子に座り、お茶を飲んでゆっくりしました。お互い緊張していたからか、お風呂に入る前よりもかなり口数が減ってたように思います。「そろそろ寝ようか」という彼の一言で、電気を消してお互い別々の布団に入りました。私は心臓の音が聞こえてしまうのではないかと思うほどどきどきしていましたが、数分経っても何もないので”このまま今日は何もなく終わるのかもしれない…”と思っていました。そんな時、「そっちの布団に行ってもいい?」と彼からの質問で緊張がピークに達し、かなり小さな声で「いいよ」と答えました。何も言わずに彼は暗闇の中私の布団の方に入ってきました。私は彼が入ってこられるように少し横にずれてただただ硬直していましたが、彼の暖かい体温が右の腕や足にぴたっとくっつく感覚を味わいました。1つの布団の中で横並びに固まっていた2人ですが、少しすると彼の呼吸音とともに彼が私の方に向く感覚がありました。私も同じように彼の方を向くと暗くて何も見えなかったのに、急に目の前に彼の顔が浮かび上がりました。目が合うと彼は顔を近づけて私にキスをしました。彼が「いい?」と聞くので、小さく頷くと彼の手が私の胸に当たりました。少しびくっとしましたが、そのまま彼に体をあずけると、彼はキスをしながらも私の胸や下半身を触ってきました。そのぎこちなさから彼もとても緊張しているのだと感じ取れました。彼の手が下着の中まで入り、指が入ると私は思わず「痛い!」と叫んでしまいました。彼は謝りながらゆっくりと指を動かしてくれて、少し痛みから気持ち良さに変わってきた時、彼は私に覆い被さってきました。私はただ硬直しているだけでどうしたらいいのか分からず、自分から動くことが出来ませんでした。彼は自分の下着を脱ぎ、私の下着も脱がせゆっくりと自分のを私のに入れてきました。その時、私はあまりの痛さに再び「痛いからやめて」と言ってしまいました。彼は少し困惑し、謝りながら「ゆっくりするから痛かったら言って」と言ってくれましたが、その後何度か挑戦したものの痛すぎて奥まで入れることができませんでした。暫くした後、彼はやめ困惑しながら横になり、私も痛さで涙が出るほどだったのでただただ早く終わってほしいと思ってしまっていました。2人で横になり、私は彼に「ごめんね」と言うと、彼は「はじめてだし、俺も上手く出来なくてごめんね、お互い少しずつ慣れていこう」と言ってくれました。次の日は少し下腹部に痛みを感じながらも、夜を終えた安堵感と初めてを終えて恥ずかしさが少し取れたからかより彼との距離が近くなったように感じました。
今思い出すときゅんとした気持ちを思い出す。
私が大学を卒業する時、お互いに好きな気持ちがあったもの、将来の目標が違いすぎて離れることを決断しました。その後数年間は1年に2回、お互いの誕生日におめでとうのメッセージと短いやり取りをしていました。携帯を変えたのをきっかけに疎遠になってしまい、今はやり取りも行っておらず時折思い出す程度です。あの時の体験は初々しすぎて今考えると笑ってしまうほど恥ずかしいエピソードです。その後、他の人と付き合い初めてする度に、あの日のことだけは鮮明に思い返されます。何も出来ずにただただ頭が真っ白になっていましたが、あの時ほどピュアな体験はないので、当時は恥ずかしさの絶頂だったものの今ではとても良い思い出となっています。